MASTIHAマスティハ(ギリシャ産マスティック)
エーゲ海に浮かぶ秘島が生んだ「キリストの涙」神秘の多機能素材「マスティハ」
マスティハは近年、テレビ番組で放送されるなど日本国内でも少しずつ認知が進んでいる、ヨーロッパギリシャ原産の天然原料です。始まりは西暦前5 世紀、古代ギリシャの歴史家や医師がマスティハの医学的用途について述べるなど古来より重宝されており、旧約聖書の中にも登場するなど様々な記録が残っています。国内では、主に歯磨き粉の一成分として利用されてきましたが、近年は某世界的化粧品メーカーがその機能性に着目し、化粧品へ利用するなど注目を集め始めています。今回は、化粧品類やサプリメントなど様々な商材へ利用が進んでいく事が考えられる注目の原料、「マスティハ」の生産や歴史、その魅力などを御紹介させて頂き、皆様の健康増進のお手伝いができましたら幸いでございます。
風光明媚なエーゲ海と神話の国「ギリシャ」
ギリシャはヨーロッパ南部に位置し、地中海に面した人口約1100万人、国土面積は日本の約3分の1程の国です。ギリシャは古代文明発祥の地であり、古代ギリシャ時代の繁栄の象徴として多くの歴史的建造物や世界遺産が残っています。またオリンピックの発祥の地でもあるギリシャでは、今でもオリンピックの迎火の採火(オリンピアヘラの神殿跡にて)が行われています。そして、ギリシャは風光明媚で、映画の舞台にもなったエーゲ海に隣接し、豊富な海の幸、新鮮で高品質なオリーブオイル(消費量世界一)、葡萄の搾り粕を原料としたギリシャ原産の蒸留酒であるウゾやチプロ(アルコール度数約40度)などが楽しめる、ヨーロッパでも人気のある観光地です。
「マスティハ」の産地 エーゲ海の秘島ヒオス島
ギリシャとトルコの間に位置するエーゲ海。エーゲ海には約2,500の島々が存在します。マスティハの産地であるヒオス島は、ギリシャ東部に位置し、エーゲ海に浮かぶ島々の中でも比較的大きな島です。島からはトルコの国土が目視できる程、トルコに近い場所に位置しています。古くから交易の島として栄え、11世紀に建設されたネア・モニ修道院は、ユネスコの世界遺産に登録されています。人口は約6万人規模の島であり(ギリシャでは5番目に大きな島)、アメリカ大陸を発見した事で有名な彼のコロンブスの末裔が現在も暮らしている島として知られています。
神秘の多機能素材「マスティハ」
マスティハは近年、日木のテレビ番組で特集が組まれるなど注目を集めている原料です。マスティハはヨーロッパギリシャのヒオス島南部で栽培される、常緑樹マスティハの木(Pistacia Lentiscus類)から採取される、天然で芳香性のある半透明色の樹脂の一種です。ヒオス島以外でもこの種類の木は自生していますが、香り高く、多くの効能を持った天然の樹脂を流すのは世界中でこの島の南部で栽培されるマスティハの木だけです。マスティハは原産地ギリシャでは古来より、その芳しい香りや多くの効能により、化粧品やサプリメント、香水、歯磨き粉など様々な形で人々の生活を支えてきました。
マスティハは歴史のある天然原料であり、現在ヨーロッパの一部では肌の傷の修復を促進する目的で生薬成分としてEMA(欧州医薬品庁)に登録されています。近年、この肌への効能に着目した、某世界的化粧品メーカーが化粧品に採用した事で化粧品の成分としても注目を集め始めています。
秘島が生んだ「キリストの涙」
世界中でヒオス島南部でしか体系的に採取する事ができないマスティハですが、1本の木から年間150gー180g程しか採る事ができません。マスティハの歴史は古く、旧約聖書にも登場し、昔は金や銀と交換される程貴重なものであった為、その効能や希少性に目を付けた他国がヒオス島に攻めてきたという歴史も残っています。その希少性や歴史的背景、そして樹脂が涙のような形をしている事から別名「キリストの涙」とも呼ばれています。
マスティハの栽培について
ユネスコの無形文化遺産に登録
マスティハの収穫方法は古くから変わっておらず、全て人の手で行われ、薬品、農薬などは一切使用されておりません。7月の収穫時期になると、マスティハの木の幹や太い枝に傷をつけます(ケンティマ)。傷を付けられたマスティハの木が自身の傷を修復する為に樹脂を流し、地面にしたたり落ちた樹脂は最初は無色透明ですが、時間が経つにつれて粘性のある黄金色に変わり、乾燥した後収穫されます。この伝統ある栽培方法が評価され、2014年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。
アメリカ大陸の発見者、コロンブスの末裔が住む秘島
ヒオス島は1346年から1566年の間、イタリア、ジェノバによって支配されていた為、所々にイタリアからの影響が残っています。歴史的に、ヒオス島の人々は巧みな船乗りとして有名でした。ジェノバ人のクリストフォロ・コロンボ(コロンブス)が、「ヒオス島を訪れ航行の技術を磨いた」、「実はヒオス島の出身だった」などの伝説もあります。現在もヒオス島のピルギ村には約40名のコロンブスの末裔が暮らしています。
進む研究、多機能素材「マスティハ」の魅力に迫る、世界中でヒオス島のみ採取される神秘の樹
世界中でなぜヒオス島だけでしか採取できないのか?
マスティハはマスティハの木(Pistacia Lentiscus類)の樹脂ですが、この品種の木は地中海域にも自生しています。ですが不思鼈な事にマスティハが体系的に栽培されているのは世界中でギリシャヒオス島南部だけです。これには3つの秘密があります。
秘密その①特殊な微気候
1つめは、この地域の特殊な「微気候」です。ヒオス島は南北に細長く(約50km)、北部は樹木に覆われた高山が湿度を維持し、冷たい北風を遮断します。これが南部の丘陵地帯に、冬季は温暖で夏季は非常に乾燥するという特異な気候をもたらしています。高温で湿度の低い夏は、マスティハの乾燥を促進します。マスティハは乾燥前に水分にさらされると腐食するため、この気候はマスティハの生産に欠かせない要素の1つです。
秘密その②優生保護
2つめの秘密は「優生」です。優生とは良質の遺伝形質を保つようにすることを言いますが、ヒオス島のマスティハ栽培者たちは、古代から良質な樹脂を大贔に産出する木を選り分けてきました。そして、これらを体系的に繁殖させ、母樹の特性を持った新しい林をヒオス島の南部に作りました(マスティハを栽培する村をマスティホホリアと呼びます)。数世紀に及ぶこの体系的な優生保護によってヒオス島南部のマスティハの木は1年を通して、安定的に樹脂を生産、収穫に結びつきました。
秘密その③マーケティングカ
最後の秘密は、マスティハの木の栽培を体系化し、製品を規格化、市場を確立してきた古代ヒオス人のマーケティングカにあります。「特殊な微気候」と「優生保護」、そして「マーケティングカ」。この3つの要素が組み合わさって、ヒオス島のマスティハを特別なものにしています。
進む研究、神秘の機能性素材「マスティハ」
優れた機能性に注目が集まる
ヒオス島で古来より「神秘の薬」として重宝されてきたマスティハですが、現地では医薬品や化粧品、香水などに利用されてきた歴史を持ちます。マスティハに関する多くの研究論文が欧州を中心に発表されており、その中には特鉱成化作用、創傷治癒、抗炎症作用、抗動脈硬化、健胃作用、抗菌作用、抗ピロリ菌作用、口腔衛生改善作用など様々な機能性が明らかにされています。
世界的に注目を集めた英国のピロリ菌研究
マスティハに世界の研究者から注目が集まったきっかけは、1998年12月24日号の「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という医学雑誌に掲載された「マスティハがピロリ菌*を殺す」という論文です。英国のバーネット総合病院の医師らがマスティハを薄めた溶液をピロリ菌に加えたところ、ピロリ菌が検出できないほど減少したと報告した事で話題となりました。日本でも、静岡県立大学食品栄養科学部微生物研究室の研究で胃や十二指腸の患部から採取したピロリ菌で同様の効果を確認しました。
ピロリ菌・・・正式名称はヘリコバクターピロリと呼ばれ、胃などの表層を覆う粘膜の中に住みつく菌で、感染したまま放置しておくと慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃ガンなどが引き起こされると考えられています。
ヒト臨床試験で消化器疾患への有効性を確認
消化器系に関するものでは、イラク・モスル大学付属クリニックで行われた十二指腸潰瘍患者38人を対象とした臨床試験において、被験者にマスティハを1日1g摂取させたところ、2週間後には8割の患者で症状の軽減が見られ、副作用も一切なかった事が報告されました。
口腔衛生改善素材として期待
マスティハは世界初の天然の口腔ケア商品(ガム)しても現地では利用されていました。マスティハは独特の風味や硬さから、一般的なチューイングガムよりも唾液の分泌を促し、高齢者に多くみられる口腔乾燥症に有効であるとされてきました。マスティハは、ロ腔衛生及び歯科関連の分野でも注目を集めており、多くの臨床研究が行われています。明海大学歯学部がボランティア20人を対象に実施した試験では、被験者にマスティハもしくは市販のチューイングガムを噛ませ、噛む前後での唾液内の細菌数を比較したところ、細菌の増加や歯垢の形成が抑制された事が判明しました。この 研究は「歯周病ジャーナル」に論文掲載されました。
世界的化粧品メーカーも認めた
創傷治癒や抗炎症作用、化粧品成分としての期待
マスティハは原産地ギリシャでは、様々な商品に利用されていますが、化粧水、美容液、石鹸、日焼け止めなど化粧品類にも多く利用されています。マスティハを利用した化粧品はまだ日本市場ではほとんど見られませんが、近年、某世界的化粧品メーカーが化粧品成分として採用(日本国内でも販売した事で話題となりました。マスティハは、欧州の一部では創傷治癒促進を目的とした生薬成分の一種としてEMA(欧州医薬品庁)に登録されています。医療具にも使用されるマスティハですが、術後の切開部の保護や治癒にも活用され、皮膚に対する刺激が非常に少ない(炎症や痒み、皮膚の脱色など)事も分かっています。
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